ボクシングの村田が好きだ。
以前から彼のコラムを目にするたびに、彼の天才ぶりと裏腹なネガティブで腰の低い文章に驚き、感銘を受けてきた。
しかし今回のタイトルマッチ、挑戦者が圧倒的だった。
あんなに殴られている村田を初めて見た。天才村田でもそんなことがあるのかと。
相手が村田のことを研究し尽くしてきて、何もさせてもらえなかった。
実は、今回気になっていたのが、試合前の村田の発言がいつもと少し違っていたことだ。
いつも彼は試合に向かうメンタルコントロールが難しいと言っている。それはボクシングに限ったことではないが、「緊張」と「勝つイメージ」と「過信しない心」、彼はいつもそういったもののバランスをうまく取りながら、試合に臨んでいる。
しかし今回は「相手を倒す」という面に傾倒しすぎてはいなかっただろうか。
自分のマイナスの気持ちを認めるバランス感覚こそが本来の彼の強さなのではないかと思う。
王座陥落し、これから様々な人の思惑や自分の思いとの中で揺れ動くことになるかもしれないが、一ファンとして、これからも彼には頑張ってほしい。