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イトトンボのヤゴが大人になるまで飼ってみた -大人の自由研究

もうすぐ夏休みも終わりですね。お子さんの自由研究は終わりましたか?

今日は虫のアップ画像がたくさん出てきます。昆虫苦手さんはまわれ右!

この夏は、ひょんな事から、メダカのほか、色々な生物を育てることになってしまいました。
そんな大人の自由研究です。

これからヤゴを育てる方のために、餌や飼育ケースなどの情報も載せていきます。ヤゴの飼い方の参考になれば幸いです!

 

ヤゴとの出会い

今年買った睡蓮にとんでもないオマケがついていました。

そう、それは…

メダカの天敵、ヤゴ!

七夕の日に買ってきた睡蓮をくみおいていた水にドボンして放置。
しばらく経った7月21日、水換えをしていると、クネクネと泳ぐ小さな物体を発見。

よく見るとたくさんいます。一体これは何??

3ミリくらいのからすでに1センチくらいに育ったのもいました。
調べてみると、イトトンボのヤゴらしいことが判明。

基本的には微生物を食べているはずですが、順調に育つとメダカの赤ちゃんを食べてしまうので隔離することに。

 

飼育環境

ダイソーで買ってきた300円の飼育ケースに、メダカの飼育水を半分くらい入れて、そこにヤゴを10匹ほど。
ケースを置いたのは、ベランダの日陰。猛暑の中ですが、よく風があたる日陰なので、おそらく水温は高い時で30度ほど。このくらいなら大丈夫です。

ちなみに飼育ケースは、大きめのタッパでも水槽でもプラケースでも発泡スチロールでも、何でもいいと思います。
ただ、羽化するときに割りばしを立てないといけないので、割りばしを立てかけられるくらいの深さと広さは必要です。

うちで使っていたのは、こういうタイプの飼育ケースです。
水は、塩素入りの水道水でも大丈夫だそうです・・・が、それで絶対大丈夫とも言い切れないので、魚を飼っている方は、もともとカルキ抜きした水や飼育水があるでしょうからそれを使ってください。

魚を飼っていない方は、ヤゴを拾ってきた時の水で数日乗り切り、ペットボトルやバケツに水を入れてひなたに1日おいてカルキ抜きしてから使うのが無難です。暑い時期はすだれなどで日よけしてあげてください。小さいケースに入れると水温は上がりやすいため、置き場所には注意が必要です。

 

イトトンボの一生

イトトンボのヤゴは初夏に卵から孵ったものは、その夏の間にトンボになり、冬を越さずに死んでしまうもののよう。成虫で過ごす時期はわずか1か月ほど。種類によっては、秋に孵化して冬越しするものもいるみたいです。

これがオニヤンマとか大型のトンボのヤゴだと、数年間ヤゴのまま暮らすらしいので、ほんとイトトンボで良かったです・・・。そんなに長く面倒見られないですもん。

 

ヤゴの餌

ヤゴは生きたものしか食べません。普通のおうちで飼うとなると、ネックになるのはこのあたりかと。
幸い我が家にはメダカのためのミジンコや、勝手に湧いたボウフラやアカムシがわんさかいるので、与えてみることに。

ミジンコ水槽からスポイトですくってヤゴ水槽へ。

朝、100匹くらいたんまり入れていくのに、夕方になるとほとんど残っていません。
一体どうやって食べているのか・・・。

パクッといってました。

アカムシの動画もあるのですが、グロいのでやめておきます。かなり大きいアカムシも頭からバリバリ丸のみです。

藻がすごくて、イマイチ中がよく見づらいんですよね。たくさん餌をやっていたつもりでしたが、残念ながらいつの間にか共食いしてしまったみたいで、気づいた時には半分ほどに減ってしまっていました。。。これも生存競争、許せよ・・・。

もし、おうちでお子さんがヤゴを拾ってきた!となると、水を外に置いてボウフラかアカムシを沸かせてみる、あるいは釣り具屋さんで生きたアカムシやイトミミズを買ってみる、メダカやさんでミジンコを買ってみる、田んぼに沸いているミジンコをすくいに行く、というのも有効です。

ちなみにヤフオクでもミジンコを格安で販売している人がいますよ。楽天やAmazonでも売ってます。最近はもう何でもネットで手に入りますね。

まあミジンコ買っちゃうと、ヤゴだけじゃなく、ミジンコも育てないといけなくなりますけどね… うまく増やせれば一番コスパはいいかもしれません。

 

 

ミジンコの育て方、増やし方はこちらの記事からどうぞ。

メダカのためのミジンコの育て方、増やし方

最近、メダカの稚魚の育て方やグリーンウォーターについて検索して、このブログにたどり着く人がとても多い様子。 稚魚の餌として一番のおすすめはゾウリムシと書きましたが、第2のおすすめはミジンコです。 とい ...

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生後3週間くらい?

7月28日
生まれた日がわかりませんが、7月7日前後だとして、約3週間くらい?大きいのは1.5㎝くらいになってます。
左下にも小さいヤゴがいるの、わかります?

 

生後約1か月

 

8月6日
一番大きいヤゴの背中にボコっとしたふくらみが出てきました。これは翅(はね)?!羽化は近い…!

はねがでてきた時点で、割り箸をセットしてください。倒れないように注意ですよ。

 

イトトンボの羽化

8月10日、朝8時前、ついに羽化が始まりました。

みるみる出てきます。

翅(はね)がくしゃくしゃっとなってますね。

 

殻から抜けました。ここまででたったの5分!!予想よりめちゃくちゃ早い!

出てきた後はずーっと動かない・・・・と思いきや、どんどん身体が伸びて大きくなっています。翅もいつの間にやら伸びてきています。

これ早送り動画で見たかったなあ~・・・

8時15分 つやっとして、なんと美しい翅・・・!

8時55分 ヤゴのときは2.5㎝くらいだったのですが、羽化してから、1㎝は大きくなりました。色も綺麗な黄緑から、黒っぽい色に。

ここでタイムアップ。あとはオットと一緒にお盆休み満喫中の6歳児に託して私は会社へ。

その後、送られてきた写真。さらに茶色になってますかね?背中にも線が入ってきてます。黒がキレイ。

結局、無事9時40分頃に飛び立っていったそうです。
その間、息子からLINEが通算120回くらい送られてきました・・・。

それにしても、実際羽化が始まってから飛び立つまで1時間45分くらいでしょうか。めちゃくちゃ早いですよね。ヤンマ系なんかは夜中に羽化が始まって6時間くらいかかって、朝に飛び立って行くと聞いていたので、あまりの早さにびっくりでした。

羽化中は無防備で、天敵に食べられる危険が高いので、弱いトンボほど素早く羽化するものなのかもしれないですね。
実際、私が真横でパシャパシャとシャッターを切っていても、逃げられないわけですから。

 

2匹目の羽化

二匹目は、朝、餌をやったときには確かにまだ水の中にいたのに、会社に行くときに見たら脱け殻が…なんと知らぬ間に飛び立ってしまっていたのです。

辺りを探したのですがトンボは見当たらず、落胆していたのですが、翌日、見たことのないイトトンボが。

ちょっとわかりづらいですが、胸は綺麗な黄緑、しっぽのあたりは水色の綺麗なトンボです。

調べてみると、羽化後、しばらくは周辺にとどまり、成熟してから飛び立つとのこと。

おそらく1匹目の茶色かったイトトンボも、どこか近くでこの色になるまで成熟してから、飛び立っていったのでしょう。
2匹目は、本当の意味での旅立ちを見送れたみたいです。嬉しいなあ。

こちらのサイトで種類を調べてみました。

イトトンボ図鑑 トンボフィールド観察記
http://tombozukan.net/zukanitotombo.htm

同じようなのがたくさんいますが、たぶん、アオモンイトトンボですね。

 

その後、色違いがぞくぞくと

その後、黄色っぽいのとか、オレンジっぽいのとか、緑っぽいのとか色々出てきました。きっと同じ種類のヤゴだと思うのですが…。イトトンボは、雌雄や、成熟段階によって色がかなり違うみたいですね。それにしてもヤゴの状態でこんなに色が違うものだとは。黄緑はすごくキレイ!

すでに背中に翅(はね)が出てきています。

この右のヤゴは、昨夜、夜寝る前にのぞくとすでに羽化してトンボになっていました。色は、やっぱりアオモンイトトンボ。

例によって、飼育ケースが汚くてごめんなさい。

緑のヤゴも今日明日には旅立つと思います。一体どんな色になるのか見届けられたら嬉しいのですが。

 

まとめ

以上、長くなりましたが、アオモンイトトンボをヤゴから育ててみた結果をお送りしました。ちなみに、まだあと3匹残っています。

2匹目、3匹目と、見ていないうちに羽化していることを思うと、1匹目の羽化を、がぶりよりで見守れたのは、かなりラッキーだった模様です。こんなことなら、会社に行かずに最後まで見守っておけば良かった…!もしも明日、緑のヤゴが羽化しそうになっていたら、迷わず遅刻を選びますので、よろしくお願いいたします。

皆さんも、大人になっても自由研究、楽しんでみてください!

  • この記事を書いた人

ハマグチ

趣味はメダカ(魚全般)、植物、剣道、キックボクシング。元システムエンジニア。 見えないと言われるけど本当は内向的な一児の母、アラフォー。

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